【永田町変】首相、小沢氏、輿石氏 北へ南へすれ違い 会談の行方を暗示?

 野田佳彦首相は25日、第6回「太平洋・島サミット」出席のため沖縄入りした。週末には北海道を訪問する。29日にも会談予定の民主党の小沢一郎元代表は入れ違いで沖縄入りし、輿石東幹事長も週末に北海道入りするが、それぞれ首相と顔を合わせることはない。この足取りが暗示するように3人の心もすれ違いばかりで事態打開の筋道は見えない。(坂井広志)

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 「誠心誠意、自分の思いと覚悟をお伝えします。小沢元代表の考えを虚心坦懐(たんかい)におうかがいする。別に秘策はありません」

 沖縄出発に先立ち、首相は25日、首相官邸で珍しく記者団のぶら下がり取材に応じ、小沢氏との会談についてこう言い切った。

 この言葉通り、会談に先立ち事前に調整するつもりはなさそうだ。小沢氏も「考え方は変わっていないので平行線になるかもしれない」と語っており、会談はぶっつけ本番になる公算が大きい。

 週末の2人の予定もすれ違いばかり。首相は26日夜に沖縄から帰京するが、小沢氏はこれを見計らったかのように27日に沖縄入りし沖縄県南風原(はえばる)町で開かれる民主党議員のパーティーに出席する予定。

 両者の“仲人”のはずの輿石氏ともニアミスを繰り返す。輿石氏は26日に富山市から札幌市に入り、連合北海道幹部らと意見交換する。首相は26日夜、後を追うように札幌市に赴き、全国郵便局長会の総会に出席予定だが、接点はない。

 3人は政権運営でもすれ違いばかり。首相が消費税増税への情熱を連日のように説くが、輿石氏は会期延長にも法案採決にも消極的。首相が早急なとりまとめを命じた衆院選挙制度改革にも意気込みは感じられず、いかにサボタージュして解散の環境が整うのを阻止しようかとの思惑ばかりが透けてみえる。

 かといって輿石氏が小沢氏と足並みをそろえているかといえばそれも怪しい。「グダグダと嫌みを言いつつ何もしない」のが輿石氏の処世術だということは党内外に浸透しつつある。

 それだけに輿石氏が仲介する首相-小沢氏の会談への期待は急速にしぼみつつある。小沢系は先鋭化しており、側近は「首相が折れないなら新党だ」と息巻く。首相に近い勢力は「小沢氏なんてもう関係ない」と「小沢切り」を前提に動き出した。

 24日の政府・民主党三役会議では産経新聞24日付朝刊の記事「首相『笛吹けど』 『踊らぬ』輿石氏」が話題となった。輿石氏は「踊りましょうか?」と皮肉ると首相は「私は笛を吹きましょうか?」。政権は完全に弛緩(しかん)している。
(この記事は産経新聞から引用させて頂きました)



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